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●患者発生動向
平成20年の結核罹患率は全国が人口10万対19.4に対し、大阪府は32.8と都道府県でトップであり、大阪市は50.6(1343名)で政令指定都市の中でトップであった。しかし、大阪市の罹患率は前年の52.9(1399名)より4.8%減少し、9年連続減少した。
全国に比べまだ2.6倍もあるが、全国の減少率(19.8から19.4)は2.0%であり、大阪市のほうが減少率は大きい。
区別では、西成区(人口10万対254.2)が最も高く、大阪市全体の4分の1を占める。この原因として、人口高齢化や、社会的弱者が多い等、社会的要因が大きいと考えられる。
次いで浪速区(74.2)が高く、もっとも低いのは鶴見区(32.7)であるが、それでも全国よりかなり高い。
ホームレスの占める割合は、市全体では10.9%であり、割合が一番高いのは西成区(33.8%)であった。
●結核対策基本指針の制定
大阪市では2001年から10年計画として、結核対策基本指針を策定し、対策の目標を設定した(罹患率の半減、4歳以 下患者発生ゼロ)。
対策の主な内容は、
(1)適切な患者管理
(2)DOTSの推進
(3)ハイリスクグループに対する健診
(4)接触者健診の徹底
(5)普及啓発である。
●主な対策の効果
DOTS事業の展開:塗抹陽性肺結核患者に対するDOTSの実施率はほぼ80%となった。DOTSの実施例では治療の成功率が高く、多剤耐性率や、再治療率が低下した。
集団接触者健診:年間400件を越える集団に対して、健診の必要性の有無を検討し、100を超える集団に接触者健診を行い、600人前後の接触者に対し、QFTやツベルクリン反応で、感染診断を行い、発病のチェックには、2年間胸部レントゲンにてフォローした。
感染ありと診断したものには、積極的に潜在性結核感染症の治療を行い、発病予防を行った。
小児結核対策:14際以下の患者が著明に減少した。2006年から19歳以下の化学予防の服薬確認を開始し、4歳以下の半数に実施した。
ハイリスクグループに対する健診:あいりん・ホームレス対策健診では、結核患者発見率が1%前後と極めて高く、一般住民健診の約100倍であった。2000年からの受診者数は、年間3000人から4000人で、2008年は4000人を超えた。この健診で多くの結核患者が比較的早期に発見され、感染の拡大や、重症化予防に役立ったと考えられた。
●最後に
我々の対策で最も重要なもののひとつが住民に対する啓発である。今後とも定期健診と、有症状受診の普及などに努めていきたい。
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